さくらの妊活備忘録

アラサー夫婦の妊活を備忘録として綴るブログです。

#1-04 特別養子縁組

1-ある日テレビで偶然、特別養子縁組のドキュメンタリー番組を観た。

あるご夫婦が不妊治療をしたけれども良い結果を出せず、特別養子縁組で生後間もない赤ちゃんをお迎えする様子が取材されていた。確か30代半ば〜後半くらいのご夫婦だったと思う。
番組の一部しか観られなかったが、不妊治療の末の特別養子縁組という選択肢の存在を考えたことがなかったので、この番組を見たことは鮮明に覚えている。それまでの無知な私にとって、特別養子縁組というのは物語の中でのイメージしかなかった。
「子宝に恵まれなかった経済的に裕福な(初老の)夫婦が、子を愛でたい気持ちと社会貢献の精神から、児童養護施設で育った幼児〜中学生くらいの子を引き取ること」みたいな。
だから、不妊治療の末の特別養子縁組という選択肢の存在に驚いたと同時に、その方法もあって当然のはずなのになんで気が付かなかったんだろうと不思議にさえ思った。

もちろん、例えば「子供は3人欲しいな」なんて言葉で想定されるのは当然、自分たちの血を継ぐ子供のことだろう。でも、この言葉は3人の子供のいる家庭を築くことを指すのであって、妊娠出産を3回したいということではないはず。
なんらかの事情で妊娠出産が難しいのなら、子供をもつこと自体を諦める必要なんてない。
妥協っていうと言葉は悪いけど、血縁関係にとらわれすぎず、子供を切望する夫婦が子供をお迎えできて、さらになんらかの事情で実親に育ててもらえない子が家族を持つことができるなんて、こんな素敵なことあるだろうか。

血縁関係ではないことを子供に話すタイミングとか、周囲の理解不足とか、当事者にしかわからない苦悩もたくさんあるだろうから、軽い気持ちで選べる道ではないとは思う。でも、体外受精がだめでも子供との生活を期待できる選択肢があるということにものすごく希望を持てた。
この時はまだ妊活すら開始していなかったけど、大学時代に不妊治療のむごさ(の一部)を知った私にとっては、特別養子縁組で赤ちゃんを迎えたご夫婦が本当に輝いて見えた。

親側から見た特別養子縁組は社会貢献の一種だと思っていたが、親になりたい人が幸せになる方法の一種でもあるのだと知った。